遺言書を書こうと思いついたとき、初めに考えることは、どの財産を誰にあげるかということだと思います。

しかし、遺言書には、“家族へのメッセージ”も書くことができることをご存知でしょうか?
せっかく残す「遺言書」を、より効果的なものとするためにも、「付言」も一緒に書いてみませんか。

付言(ふげん)とは

付言(ふげん)とは、“遺言書の最後に記す、残された家族へのメッセージ” のことです。

遺言者が、家族に伝えたいことを自由に記すことができます。
例えば、どうしてこのような遺産分けにしたのか、自分の亡き後のこと、家族への感謝の思いなどです。
付言は、愛する家族への“お手紙”と言ってもよいでしょう。
特に、遺産分けに偏りがあり、たくさんもらえる相続人とそうでない相続人がいる場合には、
どうしてこのような内容にしたのかという理由を記すと効果的です。
子供達が「なぜ?」「どうして!」と不満が出て、理由を聞きたくても、そのとき親は既に亡くなっています。
どうしてこういう分け方にしたのか、それぞれの子供達にどう生きて欲しいか、メッセージ(付言)があると子供達は、喜んで涙して、受け入れてくれることでしょう。親の気持ちは、必ず子供達に届きます。

付言を活用しましょう!

付言を書く上での注意事項

注意事項としては、付言には法的拘束力はありません。
付言で、「長男には相続した土地を売らないで欲しい」「代々続く事業を継続していって欲しい」等、
付言に残すことは可能ですが、拘束することはできません。
あくまでも、遺言者の希望の範囲となります。

最後に・・・

付言は最後の“お手紙”ですから、付言を読んだ家族に対し感謝の気持ちを伝える内容にすることが望ましいでしょう。
付言を読んだ家族が、悲しい気持ちになるより、嬉しく温かい気持ちになるような付言の内容にすることで、
「争う相続=争続・争族(ソウゾク)」になりにくいと考えられています。