不動産を所有していた人が亡くなり相続が発生すると、相続人に不動産の所有権が移転します。

被相続人の所有する土地や建物などの不動産の登記名義を、相続人へと変更する手続きを「相続登記」といいます。

まず、被相続人が亡くなった後、遺言書の有無を調べます。

遺言書が出てくれば、その内容を優先して相続登記を行います。公正証書遺言以外の遺言は、家庭裁判所の検認の手続きが必要です。

遺言書がない場合、相続人全員で遺産分割協議を行い、その協議が調えばその内容に従い相続登記します。

遺産分割協議もしない場合でも、法定相続分で相続登記を行うこともあります。

相続登記に必要な書類は、遺産の分割方法によって異なります。
1)法定相続分で相続をする場合

●被相続人の出生から死亡までの連続する戸籍等
●被相続人の住民票の除票 [本籍地の記載のあるもの(以下同じ)]
●法定相続人の戸籍
●法定相続人の住民票
●相続する不動産の固定資産税評価証明書

2)遺言書に基づき相続をする場合

●遺言書
●被相続人(遺言者)の死亡の旨が記載された戸籍謄本
●被相続人の住民票の除票
●遺言に「不動産を相続させる」と書かれた相続人の戸籍
●不動産を取得する相続人の住民票
●相続する不動産の固定資産税評価証明書

3)遺産分割協議で決めた割合を相続する場合

●被相続人の出生から死亡までの連続する戸籍等
●被相続人の住民票の除票
●法定相続人の戸籍
●不動産を取得する相続人の住民票
●相続する不動産の固定資産税評価証明書
●法定相続人の印鑑証明書
●遺産分割協議書

4)ケースにより必要となるもの

●特別受益者がいる場合は、特別受益証明書および印鑑証明書
●相続放棄をした人がいる場合は、相続放棄申述受理証明書
●調停又は審判に基づいて相続登記を申請する場合には、調停調書または審判書(確定証明書付き)の謄本
●相続欠格者がいる場合は、確定判決の謄本または欠格者自身が作成した証明書・印鑑証明書
●相続関係説明図(戸籍謄本、除籍謄本等の原本還付を受ける際に必要)
●相続人の委任状(代理人により登記を申請する場合に必要)

※その他事案により必要な書類が求められる場合があります。

以上からわかるように、相続登記は書類収集がカギとなります。専門家の力を借りることが賢明です。